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第一章 「何も知らない。」
2008年10月1日。株式会社ワンスターの始まりの日を迎えた。
念願の通販事業を行う企業がスタートしたのだ。
初日社内に入ると、社内の片隅に机が一つ用意されていた。
机の上はPCが一台。1ヶ月ほど前にPC一台を注文しておいたのだ。
さて、いきなり困った。何から始めていいのか分からない。
周りを見渡しても、皆忙しそうに通常業務を行っている。
取り敢えず新品のPCを開いてみて気づいた。
インターネット環境がない。
内藤に相談に行く。
渡邊:「あのー、LAN借りてもいいですか?」
内藤:「いいよ」
渡邊:「ありがとうございます」
これで我社にインターネットが導入された。タダで。(今は払ってますよ!)
IT企業への第一歩を踏み出したのだ。
ん?メールしたいけど、どうやってアドレスは作るんだ?
ファインドスターのシステム担当(能登氏)に聞きに行く。
渡邊:「メールってどうやって始めるんですか?」
能登:「えっ?・・・。ドメイン取って、サーバー借りるんですよ。」
渡邊:「ドメイン???サーバー???」
先程導入されたインターネットで検索してみる。
そして、ドメインとは何で、サーバーとは何かを知った。これで我社にメールアドレスが発行された。
さて、
ん?電話がないぞ!ん?名刺がないぞ!ん?○○がないぞ!・・・。
初日から完全にテンパッてしまった。初日どころか、開始2週間は通販事業どころではない。
会社を始めるにあたっての勉強と準備に忙殺される。
さらに、管理部(猪藤氏)から通帳を渡された。
「おお!これが法人通帳か!」
「起業って感じだ!」
通帳を開いて驚いた。
残高400万円・・・。
渡邊:「あれ?うちの資本金って500万円じゃなかったでしたっけ?」
猪藤:「会社設立費用とか、電話買ったりとか、約100万円かかったからね。」
渡邊:「・・・。」
大変恥ずかしながら、資本金が減るものだとは知らなかった。ここで初めて“販売管理費”というものを計算してみる。
すると、どう見積もっても月間50万円はかかることが分かった。自分の給料を15万円に設定しても50万円を切らない。
しかもこれから通販事業を行なおうとしている。いきなり利益が出るとは思えない。
ということは、半年も経たないうちに会社は終わることになる。いきなり焦る。パニックである。
(今思えば、半年もあるじゃねえか!なのだが。)
初めて社会人になった時、当たり前に準備され支給されたものは、天から降ってきたものではなく、誰かが用意してくれていたんだ、とここで初めて知った。俺は何も知らないんだ、ということを知った。「起業=すぐに事業が開始できる」と勘違いしていた。
多くの人が関わって会社は成り立っているんだ、と知ったのだった。






